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腰ひもで、亡き祖母の偉大さを知る。

こんばんは、ヤマネコです。

昨年末から、毎日一度は着物に袖をとおしています。

私の場合は、猫がとびかかってくる(抱っこしてほしくてとびついてくる)暮らしの中、自宅ではなかなか着られないのですが、知人宅、買い物、初詣、そういった外出時に和装で出かけるようになりました。

当初は出がけにバタバタしっぱなしで、メイクと髪結い、着付けが終わるまでに一時間くらいかかっていたのが、今は自己流ながら少しずつ時間を短縮できるようにもなっています。

何ごとも鍛錬。
それを続けたいと思う気持ち。

和装におけるマナーや着付け方より、そういう部分こそ大切なのかもしれません。着用時間は一日一時間にも満たない日が少なからずあるのですが、それでも連日楽しみながら続けています。

 

そんな私の和装具は、大半が祖母から受け継いだもの。自分でもこまごまとした道具を少しだけ買い足したけれど、祖母が遺してくれたものだけでも仕上がらないことはありません。少し虫食いがあったり、シミが出ていたりするものでも、まだまだ使いたいと思うものばかりでした。

祖母の道具の大半は、祖母自身の手づくり品だそう。市販品も多少は混ざっているけれど、少なくとも着物と襦袢はすべて、ひと針ひと針、手縫いで仕上げられていました。

私は小物であっても洋裁が不得手なので、祖母が仕上げた着物を前にしてもぼんやり「すごいこと」だと思うだけで、正しく「どれほどすごいことか」を理解はしていなかったのだと思います。

そんな中で見つけたのが、腰ひもでした。

 

通常、着物を着終えた時点で、腰に二、三本は巻かれているのが腰ひも。本やネット動画を観ていると、その数は先生によっても多少増減するようです。簡易ベルトのようなもので、その存在は帯や着物に隠れて人目にはつかないのですが、その内側でしっかり生地を支えている、まさに命綱のような存在のものでした。

私の手元には十本以上の腰ひもがあって、そのほとんどがシルクの白い無地のもの。その腰ひもにも手縫いが多く、おそらく長襦袢(着物のインナー)をつくった際に余った生地が使われているのだと思います。

そんな中で、一本だけ異色だったのが赤い花柄の腰ひも。

きっとこれも余った生地を使ったのだろうな、と思いはしたのですが、この柄がどうにも気になっていました。昔、どこかで見た記憶があるんです。私の幼少期の服(和洋どちらか?)だったか、巾着袋のようなものだったか。覚えがあるのになんだかわからず、ずっとモヤモヤしていました。

その答えが昨年末にとうとう判明。私の「敷布団」でした。

つまりは布団カバーだったのかな。と最初は思ったのですが、どうやらそうではなくて、祖母は「敷布団そのもの」もつくっていたのだと身内から教えられてびっくり。

え? 趣味(?)で敷布団までつくるの!? って。

 

趣味と呼ぶより昔の暮らしの一環で、当時はどこのお宅でも同じようにされていたのかもしれません。でも私の中には「敷布団をつくる」という発想がなく、本当に驚いてしまいました。しかも私の幼少期にわが家で使っていた敷布団のほとんどが、祖母のお手製だったんです。どうりで、布団にしては派手な柄(ごめんなさい)が多いと思った!

なん十年も前につくられた寝具なので処分されてしまったものも多いけれど、実は残っているものもあり、それらは表生地がしっかりしている状態で「打ち直し」という作業をすればこの先もずっと使えるのだそう。最高にエコな寝具ではないかと。

 

今の私の寝床はベッドとマットレスで、いわゆる敷布団は使っていません。この先もし買い替えることがあっても、軽くてお手入れしやすい素材を選びたい。そう思っていたのですが、ここにきて木綿布団の大きな魅力に気づかせてもらいました。

木綿布団のデメリットの一つは、重さ。お手入れへの不安を考えると完璧な寝具とも言い難いのですが、それでも「祖母の手づくり布団」という付加価値は私にとって大きく、これで眠れたらすてきだろうなと、あこがれを持つようになっています。

もとより「なん十枚もの着物を手縫いしていた祖母」には驚いていたけれど、「布団を手縫いしていた祖母」には、それ以上におののきました。

 

身内なので、時には口喧嘩(主に私が口答え)をしたり、何か注意をされてはうるさいなあと思ったり、今思うと情けなくなる思い出も多々あるのだけれど、私は祖母が好きでした。そして今になって、本当にすてきな女性だったのだと気づきました。

その心の変化が祖母の生前に起こらなかったことはものすごく悔しくて悲しいけれど、これからも歳を重ねていく私にとって、祖母はあこがれの女性像の一つ。

祖母が縫い上げた着物に袖をとおしつつ、最近そんなことを毎日考えています。

 

ちなみにこちら。

子年の今年だけ、と思いながらお餅に寄り添う(天敵の?)ねずみ。

私は最近いただいたものですが、これも祖母の手づくり品だそうです。

 

本日の猫と、ねずみの猫じゃらし。

これも猫用の福袋に入っていたおもちゃの一つです。

そしてこちらが、ねずみを捕獲した弟猫です。

本日もおつきあい、ありがとうございました。



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