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岩鋳*南部鉄器の鉄瓶で、白湯がおいしく。

こんばんは、ヤマネコです。

昨秋、南部鉄器の鉄瓶を手に入れました。

私にとっての鉄瓶は、引越し準備中の六年前(2011年春)に手放したものの一つでした。古い鉄瓶はガス専用で新居のIHコンロでは使えなかったのと、手軽な電気ケトルを新たに買うつもりだったためです。

実際に電気ケトルを買ってからはとても便利に使っていましたが、徐々に劣化を感じるようになりました。素材にプラスチックが使われているものなので予想はしていましたが、十年使うのは難しいな…というのが感想です。

 

そんな中で昨年、石油ストーブを置くことを決めました。

そこから鉄瓶への想いが再熱。もともといつかはほしいなと思っていて、そのために候補だけは絞ってあったんです。

それが岩鋳の湯沸し鍋。

  • 大容量(容量2L)
  • お手入れしやすい形状
  • シンプルなデザイン
  • ガスはもちろんIH200V対応

など。私の希望どおりのものはこれしかないと一年くらい眺めていたものをようやく手に入れました。

 

鍋、という名前ですが一応やかん的な扱いです。

鉄瓶と言われてすぐに想像できるような古風でまあるいデザインにも目移りしましたが、この湯沸し鍋の、不器用な私にも洗うのが簡単そうな形状が決め手でした。

 

買ったばかりの鉄瓶に水を入れっぱなしにするとサビが出るので、沸かしたらすぐに使う(空っぽにする)というのを今も繰り返しています。

熱を持った鉄瓶は、焼石のよう。表面に残った水滴が、蓋を開けておくだけでスーッと引き潮のように乾いていくんです。その様子を見るのが今でもとても楽しく、いちいち空にするのが手間かもしれない、という心配もすぐになくなりました。

使い続けるうちに一晩水を入れておいてもサビが出なくなるらしく、そうして「育てていく」という感覚を楽しめるのも鉄瓶のよさの一つでした。

 

IHコンロでも使えるものを選びましたが、冬の間の定位置はほぼストーブの上。

ストーブでの加熱だとコンロほどすぐには沸きませんが、部屋を暖めながら無駄なく沸かしたお湯で、ゆっくり淹れるお茶も楽しみ。実は「ひとり初釜」を謳っていたときの写真にもちらりと写っていました。

いつかご紹介するつもりで、お尻だけ。
今回それが叶った形です。

ストーブでお湯を煮立たせながら、その隣で焼餅することも。どんど焼きのお団子も、のんびりここで焼きました。

 

実はこの湯沸し鍋、石油ストーブを買ったらすぐに注文する! と浮足立った矢先に「生産終了」のお知らせが届き、もう本当に、一度は絶望の文字が脳裏に。そこからストーブ選びより率先して湯沸し鍋の在庫があるお店を探し出し、なんとか手に入れた在庫品です。

結局ストーブより早く手元に届いてしまったのですが、手にしたときには本当に感動しました。こんなにステキなもの、なんで生産終了なんだろう? つくるのが難しいのでしょうか? 改良品が出るのかな? それならそれでちょっと口惜しい気もしますが、やはり一年越しに手に入れた鉄瓶、本当にお気に入りです。

鉄瓶で沸かしたお湯には鉄分が含まれるため、私にとってはゆるやかなサプリメントの代用感覚。水道水に含まれる塩素を除去してくれる働きもあるのだとか。

実は電気ケトルで沸かしたお湯を(念入りにお手入れしても)あまり美味しく感じなかったのですが、鉄瓶で沸かしたお湯は、なんだかすごく美味しいんです。ずっとあまり好きではなかった(味のない)ぬるい水である「白湯」を、日常的に飲めるようになったのはこの湯沸し鍋のおかげだったと確信しています。

 

先代の鉄瓶、最初に手放してしまったと書いたものは、もともと親族から譲り受けた古いものでした。その時点で、おそらく数十年前の品。私が手放したときにも捨ててしまったわけではなくて、今はまた新たな親戚宅で活躍しているようです。丁寧に扱えば百年後でも? と思ったり。

そう考えると南部鉄器は一生ものと言えそうですが、素材やサイズ上どうしても重たい品なので、二十年後、三十年後は扱うのが辛くなるかもしれません。

でも、できることならそれまで毎日お世話になりつつ、いざとなったら誰かに譲り渡せるようなものになればいいな。

一生ものとは、自分が一生使えるかどうか?というよりも、誰かのもとへと引き継ぎながら使えるようなもの。この鉄瓶にもそんな願いをこめて、これからもお湯を沸かします。

 

昨日のつづき猫。

ひな壇をつくりたくて、缶詰で猫たちをつってしまいました。

許さん。許せん。

怒ってます?

怒らないでほしいです。

色々文句を言われましたが、その結果の……

変顔。

本日もおつきあい、ありがとうございました。



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