こんばんは、ヤマネコです。
ふとした瞬間に目に留まる、美しい女性の爪が好きです。
男女問わず、むしろ女性だからこそ、なんの装飾もほどこされていない、少しささくれのあるような働き者の手が、そして爪が好きです。そんな指先は、強くてやさしい母の手のようにも感じ、美しいと思う。正直、昔の感覚では違ったけれど、自分が年を重ねるほどにそう感じるようになりました。
一方で、凝ったデザインの爪も、鮮やかな色をのせた爪も、ささやかなきらめきをまとった爪も、どれもすてきだと思う感覚も、失うことなく持ち続けています。欲をいえば、自分もそんなふうに指先まで配慮できる女性になりたいと、ひそかに思っていたのです。
でも自らの爪を彩りたいというあこがれは、もう手放すことにしました。
海外で活動する演奏家の友人がいます。少し前に一時帰国した彼女と再会したのですが、そのときに最近のファッションについて色々話を聞かせてもらい、その延長で爪の話になりました。とあるパーティーへの出席のため、彼女にとって生まれて初めてプロのネイルアート(といってもごくシンプルなもの)を経験したという話。
ところが、たった一日ですら、マニキュアを塗ったその状態を我慢できなかったのだとか。薄く色をのせただけの爪が、そのときは「重く」て仕方がなかったのだそう。
彼女は、プロの音楽家です。腕力や握力は人並み以上にある女性。ふつうに考えれば薄づきのマニキュアが重いわけなどありません。
ただ繊細なタッチを必要とするプロの指先だからこそ、ほんのわずかな重みさえも身体が違和感として受け止めたのだと思います。
わかる。
と、プロの演奏家でもない私が言うのにはためらいがありました。でも、わかる。
私もマニキュアを買っていそいそと塗っていた時期があります。今だって、できれば毎日そうしたいと思っていました。もっといえば昨年末に受けたパーソナルカラー診断のあと、もう一度チャレンジしたいと思うようになっていた。
ただし問題は、爪に色をのせたあと。
- 見るたびうれしくなるのに、常にモヤモヤする。
- 思い出すたび心躍るのに、早くはがしてしまいたい。
- ものすごく幸福感があるのに、なぜか見え隠れする不快感。
このジレンマ。ただ「慣れていないから」とか、いつになく女性らしいことをしている「気恥ずかしさ」だと思っていたのだけれど、実は「重さ」の問題だったのだと、そのとき初めて気がつきました。
一塗りしたマニキュアの質量なんてたかが知れているはずなのに、私だって女性の中では腕力があるほうなのに、それでもわずかな違いを感じ取り、ひどく拒否反応を起こしていたのだと。
それに気がついたとき、とても残念な気持ちになりました。
もしかしたら誰しも最初は多少の違和感を覚えるのかもしれないけれど、それでも多くの人が美しさへの探究心から慣れることができるのかなと。なのに、自分にはできないことが悲しかった。
でも、なんだか解放された気もしました。
ああ私は無理しておしゃれしようとしてたんだなあとわかったから。そして、もう背伸びしなくてもいいかと思えたから。
そして今回も、というか今回は、マニキュアへのあこがれをすんなり手放すことができました。
代わりに、こまめに爪の表面をみがくようになりました。素人の私にもできる範囲で、甘皮も処理。
めちゃくちゃ深爪だ、と驚かれることが多いけれど、私にとってはこれが常。むしろ長く伸びすぎるとそわそわしてしまう性分。もちろんこの状態で痛みも違和感もありません。仕事でも指先を酷使するためか爪の成長も早く、ほぼ毎日切っています。
更に楽器も扱うおかげか爪が丈夫(他人とじっくり比較したことはないのですが)。だから薄く表面をみがくくらいなら問題もなさそう。
少し前までスポンジタイプの爪みがき(表面用)を使っていたのですが、最近長持ちするというガラス製のものを手に入れて、週に一回ペースでみがくようになりました。
ガラスに特殊加工(やすりのようなザラザラ加工)がされていて、それでみがくとあら不思議、爪の表面がつやぴかに。となるまでにはちょっとコツが必要でしたが、マニキュアをはみださないよう塗るよりも私には気軽でした。
私の爪ではトップコートのような強い光沢は生まれないけれど、自爪がつやを帯びているのは見ていて気持ちがいいです。爪が視界に入るたびマニキュアを塗ったときと同じような喜びがあり、でも「重さ」という違和感はない。
今でも、指先を彩る女性を見るたび「すてきだ」と思います。
でも同じようにはできないのだと受け入れて、ようやく自分にとって「ちょうどよい」爪の美しさを手に入れた気がしました。
現在の愛用品。問題なく使えています。
安かったけれど到着までとても時間がかかったので、次はこちらも選択肢にしています。
本日の猫。
隠し撮りをしようとそっとカメラを向けたら、瞬時に見つかってしまった。
すかさず猫パンチ!
猫ってやっぱり「気配を感じる」という感知能力がすごいなあと思いつつ、この角度(扉の蝶番越し)はあぶないからもうやめようと反省しました。
本日もおつきあい、ありがとうございました。
こちらからお帰りいただけると、心の支えになります。
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