こんばんは、ヤマネコです。
以前から興味のあった「ハクキンカイロ」を、とうとう使い始めました。
金属製の容器の中に燃料(ベンジン)を注ぎ、着火することで熱を持つしくみの、いわゆるポケットカイロです。とはいえそのしくみだけを聞くと少し身構えてしまいそうなアイテムでしたが、私はもう何年も前から使ってみたいと思っていました。
購入したのは先月、秋彼岸の前。冬じたくの一環で。
使い始めたのは数日前。台風12号を受けて気温がぐっと下がった日。
実物を見たのも今回が初めてだったのですが、これの存在を知ったのはもうだいぶ前のことで、母から聞いた話がきっかけでした。
それは母が子どもだった頃、冬になると毎日のように祖父がこのハクキンカイロを準備して通学前の母に持たせてくれていたというエピソード。
今だと使い捨てカイロがあるし、火を使わずにすむならそのほうが安心かもしれません。子どもに渡すなら尚更です。また後の文章でもふれますが、使う燃料のニオイ(使用中も多少感じる)が気になる方も多そうかなと。今回私が試したのが自宅の中だったので、その点は印象に残りました。
それでも私はその使用感やコンセプトに、今でも強い魅力を感じています。
ハクキンカイロの製造元公式サイトを覗いてみたら、大正時代には今の製品の元となるモデルが存在していたようです。
パッケージもレトロなのがかわいくて、今の私にはとても愛着を感じられるものでした。
本体はつやつやの真鍮。ブログ用の写真を撮影しながら何度も写りこんでは失敗をくり返し、なんとかのせられるものを選出しています(手は許容範囲ですが、顔が写ってしまうこともあったので)。
サイズは一般的なスタンダードや、大きめのジャイアントなどもあるようでしたが、今回私が購入したのは「ミニ」という一番小さいタイプ。使い捨てカイロと違って硬いものだし、重かったりポケットに入れにくかったりするとそれが原因で使わなくなってしまいそうだなと慎重に決めました。
カイロとして使うには、「毎回」燃料を入れる必要があります。
「プラチナ触媒」というのは、真鍮の奥にあるフィルターのような黒っぽい部分。そこにさわらないように火口(金属の部分)をつまみ、外した奥の中綿のようなところに燃料を注ぎます。
そのためのじょうごも、ハクキンカイロ本体とセットになっていました。
- カイロ本体にじょうごを並行に挿しこみ、この状態で燃料を注ぐ。この状態だと液体は下に落ちない。
- カイロ本体に対し、じょうごを十字となる位置までひねると液体が落ち始める。
ハクキンカイロは自立しないので最初はスタンドなどの用意が必要かと思ったのですが、慣れてしまうとこの作業は難しくありませんでした。最初だけはコップ(紙コップなど)に立てて試すと安心かもしれません。
じょうごにはメモリがついていて、注油量も自分で調節できます。
(満量・最長使用時間はサイズによって異なります※大きいほうが長時間向き)
使い捨てカイロも同じですが、ハクキンカイロは一度着火してしまうと燃料がなくなるまで冷やすことができません。ただ事前に燃料を注ぐ際、量を調節しておくことで多少の時間調節が可能でした。初回のお試しや朝の出勤時(数時間)だけ使いたい場合など、少なめに注いでおけば冷えるのも自然と早くなります。
燃料を注ぎ終えたら外しておいた火口を元どおりに取りつけ、ライターなどで着火します。
一人で撮影していたので置いた状態の写真ですが、
- 火口(ハクキンカイロ本体)は上に向けて。
- ライターなどの炎は下向き、あるいは横から添えるように。
この要領で、先程書いていた「ふれてはいけないプラチナ触媒」を1~2秒炙るだけ。
きちんと着火できているか目視ではわかりにくいのですが、10秒もしないうちに本体が熱を持ち始めるので確認は難しくありませんでした。
あとは蓋をして、付属のケースに入れたり、はんかちなどで包んだりすれば仕込みは完了。いつものカイロと同じ感覚でポケットなどへ。注いだ燃料の量によって、このあと数時間から半日以上(ミニサイズなので短め)はぽかぽか状態で使うことができました。
さわれないほどの熱さにはならないと思うのですが、使い捨てカイロと同じく、懐に入れっぱなしにした後などタイミングによっては「意外と熱い」と驚くこともあるので、やけどへの注意は必須。そのぶん、あたたかさに関しては歴史が物語っているのではないかと思います。
先にもふれましたが、燃料(燃焼時?)のにおいがします。外側にこぼしたりしていなくても、念入りに拭いてみたりしても、身につけているだけでどうしても感じました。私はそこまで嫌ではないのですが、そばに人がいるとき、それも屋内であれば気になるかもしれません。
ただ野外レジャーや、自転車やバイクでの移動時に使うにはすごくいいだろうなと思います。においも気になりにくいだろうし、あたたかさは折り紙つき。嗅覚の許容範囲と、使い方次第かなといえそうです。
あとは使用ごとの手間。燃料はいつも新しいものを注ぎ直さなければいけない(前回のつづきから、とはいかない)ので、忙しい人向きではなさそう。その代わり使い捨てカイロよりも低燃費。日常的に出るごみは燃料のボトルくらいで、火口も消耗品のようですが1シーズンごとの交換でよさそうでした。
また必要なのは本体と燃料(私が購入したのは500ml※単純計算で約500時間分)、あとはライターだけで、使い捨てカイロのストックよりもかさばりません。注油量の調節で発熱時間もある程度変えられるので無駄がなく、燃料を買い足す頻度も下げられるかなと思います。
手間やにおいといったデメリットも少なくはないのですが、
- 使用ごとのペースで毎回ごみが出ることはない。
- 使い捨てカイロのストックほどかさばらない。
- 消耗品の購入頻度は少なく、買い忘れる心配が減る。
- 使用時間の調節ができる(無駄がない)。
あとは、長く使えそう。これが一番のメリットかもしれません。
一生物とまではいかなくても、年々こういったアイテムに惹かれる気持ちが強くなります。もちろん今後飽きてしまったり、暮らしが変わったり、かかる手間に不便を感じたりすることはあるかもしれませんが、今はその手間をかけることも楽しみだと思える。
もともとは祖父と母のエピソードから興味を持ったのがきっかけで、その当時の道具を受け継いだわけではないけれど、時代を超えて同じものを愛用できることにも喜びを感じます。
そういう気持ちも大事にしながら、この冬、ハクキンカイロを愛用品の一つに加えました。
本日の猫。
写真のハクキンカイロは、冷えた状態のものです。
(今日は暑いくらいだったので)
このにおい、さすがに猫たちは嫌がるかなと心配していたのですが、うちの子たちはまさかの興味津々で寄ってきてしまい、距離をとるほうに四苦八苦しています。
本日もおつきあい、ありがとうございました。
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