こんばんは、ヤマネコです。
先月の話なのですが、今年もマロングラッセをつくりました。
今年の栗しごとは、夏場に終えた梅しごとと同じく「レシピを見ずにつくる」というマイルールでひそかに挑戦。その少し前に仕上げた渋皮煮のときは途中で虎の巻に手をつけたため、マロングラッセは記憶だけをさかのぼってつくりたいなと。
- 過去記事:2017秋*マロングラッセに捧ぐ十日間
毎日少しずつ加糖し煮詰めていく過程で計算間違いをしてしまったのですが、やや甘めの仕上がりになっただけで自分なりにはおいしく仕上がったと思います。
そんな具合に秋の台所しごとを楽しみつつ、同時に冬じたくを進める中で、まめに連絡をとりあっていた女性がいました。
以下、Aさんと呼びます。
Aさんは子どもの頃からの顔見知りなのですが、距離が縮まったのは昨年から。お盆期間中に接する機会が増えたことでLINEの交換なども始まり、以降とてもお世話になっています。
そんな彼女(の家族)と初めて買い物に出たのが一年前の冬のこと。私はつきそいを頼まれる形で出向いたはずが、その出先ですてきなコートを見つけました。形やデザイン的には長く使えそうだし、アウターでは少し珍しいながらも好みの素材で軽いし、しかも腕の短い私にも悪くないサイズ感。これまでなかなか出会えなかった条件です。
とはいえその日は私の服を買うつもりで行ったわけではなく、特段さがしてもいなかった。それでもものすごく迷ってしまうくらい理想的なコートだったのですが、値札には私の被服費イメージよりもゼロが一つ多い金額が記されていたので、結局買うことはなくお店を出ました。
お値段もかなり重い枷だったけれど、私にとって「フォーマルコートの出番が少ない」というのが大きな問題だったんです。
ところがAさん自身の買い物が一通り終わったところで、彼女から「さっきのお店に戻ろう」と言われたんです。さっきのお店というのは、私がコートを試着して逡巡していたお店のこと。買う決断はできないので断ったのですが、もう一度だけ見に行こうと。
そうして戻ったお店に入るなり、そのコートを試着したのはAさん自身でした。
実をいえばAさんと私は比較的体形が似ています。なんて、いっしょにしたら怒られそうだしAさんのほうが少し背は高いのですが、号数などの服サイズは同じで、おそらく骨格診断も同様にナチュラルかなと(どちらも素人診断です)。だから私が着てもおかしくなかったコートなら、Aさんもすっきり着られると思う。
さっきは私が先に手を出してしまったけれど、Aさんも気になっていたのかな、と。私が試着してしまったがためにAさんは言い出せなかったのかもしれません。そう考えると買う気もないのに手をつけたことがすごく申し訳なくなりました。そして実際、彼女にはすごく似合っていた。高価な、というよりは上質な服を選ぶ女性なので、彼女が買うなら納得だなと。
そう思いながらしばらく見守っていたら、提案されたのが「コートのシェア」だったんです。
野菜とか、果物とか、大容量でセット売りされているものを買って誰かと分ける。そういうシェアをしたことはあったけれど、一着しかない洋服のシェアという発想はありませんでした。同居している親子などの関係ならまだしも、家が離れた間柄で。
Aさんが「ほしいけど一人だと予算オーバーだから」と言ってくれたのは、本心なのか、私に気を使ってくれたのか。おそらく後者が大きいと思いつつも、二人でシェアできるなら私にとって最大の「出番が少ない」というハードルはなくなるなあと。そのあと、しつこいくらいAさんの気持ちを確認した上で、生まれて初めて「コートのシェア」をさせてもらうことになりました。
大方のルールはこんな感じ。
- 商品は折半で買う。
- 事前に着用予定を相談する。
- お互い必要なときに受け渡し、保管しているほうは好きなだけ着る。
- クリーニングに出す場合は自腹か折半。
といっても明確に決めたわけではなくて、ほぼ口約束というか、実際にシェアを始めてみたらこんなルールになっていきました。Aさんがだいぶ気を使ってくれるので、私はまったく不満なく着用させてもらっています。
もしかすると、シェアの相手によっては混乱することが多いかもしれません。使いたい日が重なってしまったり、自分の洋服以上に汚れや傷みなどが気になったり。クリーニングに出すタイミングや、やりとりの際にどちらが運ぶのかも悩みの種になりそう。
幸い私とAさんはいっしょに行動することがあっても、ふだんの交友関係が異なり、出かける予定も重なることがほぼありません。私がフォーマルコートを必要とする機会が少ないため、おそらくAさんのほうがよく着てくれているんじゃないかなと。私自身も希望日に使えなかった(断られた)ことが一度もないので、こちらにしてみればコートは「クローゼットで眠っている」か「Aさんが持っている」かの違いしかありません。着ないまま寝かせていても傷むことはあるのだから、せっかくなら出番は多いほうがいいのです。
あとは着用中に汚してしまわないかが毎回心配になるけれど、完全に外出着として(猫とたわむれないように)扱っているので今のところなんとか無事かなと。最近ではしょっちゅうパン部で顔を合わせるので、受け渡し方法もほぼ問題なし。
Aさんに負担をかけていないか? を心配すること以外では、このシェアはいいことずくめでした。
そんなわけで少し前からAさんとのやりとりが密になっていたのは、「今冬はいつ着ようか?」というコート着用計画の示し合わせ。
やっぱり今シーズンも私が使いたい日は少ないのだけれど、毎回出費がかさむレンタル衣装に近い方法なのだと考えれば、こういう形も理想的。私にとっては快適な、新しい「コートの持ち方」でした。
本日の猫。
そんなこんなでフォーマルコーデ用のアウターは少しぜいたくさせてもらえましたが、ふだん着はお手頃品が2パターンだけです。
毎日、私が気持ちよく着た洋服は、その夜、猫の寝具になる。
洋服のランクというよりは、用途を分けて、どれも大切に着ていきたいです。
本日もおつきあい、ありがとうございました。
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