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先生、わかりません。

こんばんは、ヤマネコです。

諸事情から辞書とのにらめっこを続けています。

子どもの頃、大人になれば日本語を完璧に話し、あらゆる漢字の読み書きをし、その言葉の意味を理解できると思っていました。もしかしたら数か国語はぺらぺらになっているのかも、と未来の自分には様々な期待を寄せていたなと。

実際には、私はいまだに日本語も中途半端。数年かけて学んだはずの英語は発音すらたどたどしかったし、もう何年も使っていないのであいさつすらまともにできなくなっているかもしれません。

正直、日本語を完璧に、というのも一生かけたところで無理だと思う。それは学びがあったからこそ奥の深さを理解し、終着点がとてつもなく遠いことを知ったから。色々なものごとを知れば知るほど、新たな知らないものごとの存在に気づく。考えるたびに途方に暮れそうですが、それはけして悪いことではないのだとも思うようになりました。

 

私は今でも日本語の辞書が手放せません。言い間違いや記憶違いもしょっちゅう起こるので、ほぼ毎日のように何かしらを検索しているような気がします。

そんな中、先日たまたま見かけたのが「ずきずき」という副詞でした。私にはこの言葉を見たり使ったりするたびに、よみがえってくる記憶があるんです。

 

それは子どもの頃、私自身が体調を崩すたびに訪れていた小児科でのやりとり。たとえば腹痛や頭痛を訴えている診察中、先生が決まって訊くんです。

「ずきずき痛い?」

とにかく痛みがある私は、そう問われれば「うん」と答えるだけ。でもその答えが一瞬でも遅れると、次いで訊かれることがありました。

「きりきり痛い?」
「それとも、しくしく痛い?」

問いを重ねられては、そのたびにどういうことだ? と痛みに耐えながら困惑していました。

 

それを過去数十回、数百回と思い出していたのですが、今回初めて確認してみようと思い立ったのが最近のこと。

ずきずき:傷口などが脈打つように絶えず痛むさま。 – goo国語辞書

きりきり:鋭く痛むさま。 – goo国語辞書

しくしく:それほど激しくはないが、絶えず痛むさま。 – goo国語辞書

しくしく < ずきずき = きりきり

痛みの度合いとしてはこのような順番でしょうか? なんとも難しい。

最近の私は腹痛などの痛みで病院へ赴くことがほとんどなく、こういう表現で問われる機会もなく、一般的な問診かはわかりません。でももし今訊かれたとしたら使い分けられるだろうか? と悩む気持ちになりました。

当時と比較すればなんとなく違いがわかるような気もするのです。ずきずきときりきりの差は微妙すぎていまだに明確にわからないけれど、しくしくとずきずきの違いはわかるような気がする。

それはこれまで、けがをしたり、病気になったり、そういう経験を積む中で感じとり、自分の身体が学んできた感覚なのだと思います。

シンプルな喜怒哀楽だけは物心ついた頃にはなんとなく理解していたのだと思うけれど、もう少し複雑な、さみしいとか、せつないとか、そういう感覚や感情は成長とともに実体験から把握できたなったもの。そういった流れや結果が精神的な成長と呼ばれるものの一つなのだろうなと。

 

だから大変失礼ながら、これは過去にお世話になった小児科の先生へのダメ出しです。ずきずき、きりきり、しくしく。そういった言葉は、きっと小児科にかかる年齢の子どもの多くには使い分けができません。その場で違いを確認しようにも、痛みに耐えている場面だから難しいのです。

と、ここまで考えてみて、もしかしてわからなかったのは私だけかもしれない? という可能性にも気がつきました。

感覚的なものは目に見えないため、声や文字などに表さなければ他の人の中にあるかの把握ができません。私だけが経験や理解をしていなかった品詞なのかも。

そうだとしたら成人してだいぶ経った今でさえ、よくわからないと思っていることが恥ずかしい限り。むしろ私にはそんな言葉がごまんとあって、だからこそ今も辞書が手放せないのだと妙に納得しています。

 

実は本日9月6日は語呂合わせで黒の日。且つ、クレームの日だそうで、ちょっとニュアンスが違う気もしながらこんなテーマになりました。

その過程で「クレーム」という言葉についても調べたところ、これが和製英語であることにびっくり。そのことも今日の学びの一つです。

 

本日の猫は、昨日の兄猫たちのつづき。

昨日の写真では向かい合っていた兄弟猫が、そっと隣にやってきました。

こうやって見るとおなかのでっぱり具合の違いがちょっと気になりますね。ダイエットの秋、頑張りましょう。

本日もおつきあい、ありがとうございました。



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