こんばんは、ヤマネコです。
この秋で、今の家で暮らして十一年目になりました。
ネコハウスとしての家を建てる形で暮らし始めたため、各種設備なども家族で選んだものを取り入れています。
暮らしに適したものやコストの問題で見送ったものもなかったとはいえません。それでも設備的な不満はほとんどなく、快適に暮らすことができているのには感謝するばかりです。
十年前の設備選びの折に、たびたび話題に上がったのが建具の取っ手についてでした。それぞれの部屋の収納の、引出しや扉についている部品のことです。
扉の上部全面に目立たない形でついているのが、ライン取っ手。
扉表面にコの字型の出っ張りとしてついているのが、バー取っ手。
選べる場所についてはどうしようか? という議題。
シンプルでスタイリッシュな雰囲気のライン取っ手はやはり人気があるのだそう。新しいシステムキッチンを選ぶなら尚更かもしれません。
私の場合はあまり迷うことなくバー取っ手を選んでいました。当時はあまり意識していなかったけれど、より昔ながらの形に惹かれたのだと思います。といっても選んだ(選べた)ものにはそこまでアンティークな雰囲気はなく、ライン取っ手と比較すればという話。
それでも気に入って決めたものであり、暮らし始めてからの使い勝手も期待どおりで愛着は募っていきました。
ただこういう取っ手は長年使いこむうちに継ぎ目の部分でがたつきが生じるのでは? という不安があったんです。キッチンという、毎日くり返し出入りするスペースの収納だからこそ尚更。
ライン取っ手の場合も違った形の劣化はあるそうですが、バー取っ手のほうが弱い可能性を捨てきれずにいました。他の家具のようなネジくらいなら締め直せばいいという発想でいたけれど、こういう設備の場合は素人にはどうにもできないトラブルである可能性のほうが高いもの。
それでも好みを優先して選び、暮らし始めて十年たちました。
結論からいえば、ネジがゆるんだり、固定部ががたついたりしている場所は一ヶ所もありません。この結果にはさすがだな、と思う一方で、自分では少し驚いています。
大切な家、その設備という気持ちを持って乱暴に扱うことはなかったつもりだけれど、十年間、毎日ものすごく慎重に開け閉めしていたわけでもありません。私自身が大雑把なのに加え、同居家族もいるので力加減などもそれぞれ異なります。
それどころか私はちょくちょくここに体重をかけてしまうこともありました。
というのもキッチンでしゃがみこんだ途端、猫が抱っこを求めてのってくることが日常茶飯事になっているから。バランスを崩しそうになっては「おっと」と、座った目線の先、ちょうどいい位置にあるバー取っ手をつかんでしまう。全体重をかけるわけではないけれど、注意していてもわりと高頻度で手すりのような扱いをしていました。
昔から似たようなことは多々ありましたが、写真の弟猫を迎え入れてからは更に増加。いけないいけないと思いながらも反射的につかんでしまうことをやめられずにいたんです。
だから早い劣化の可能性を覚悟していたのに、その気配すら感じないまま十一年目に突入。改めて考えると驚いてしまうなと。キッチンはヤマハ(現トクラス)のものなのですが、この丈夫さやお手入れのしやすさには今でも助けられています。
そんなふうにわずかな不安も抱えつつ暮らしてきたのですが、最近は少々開き直って「バー取っ手に強い負荷をかけることなく手すりとして活用する方法」などを模索し始めました。
とっさにつかめる場所がある、というのは本当に便利なこと。横着するための勤勉さは発揮してしまいます。
そんな褒められない用途でバー取っ手を重宝しているのですが、逆に、暮らし始めた当初はここにお尻や腰をぶつけては悶絶していたのも思い出しました。出っ張りというのは私にとっても一長一短だったなと、最近はこんなふうに振り返ることが増えています。
十年暮らしたということは、私自身も十歳分の年月を重ねたということ。十年後も二十年後も気は若く持ちたいけれど、体のほうはそうもいかず。これからは手すりの存在がもっと重要になっていくのではないかなと想像しつつ、丈夫なバー取っ手に思いがけず助けられていることを実感しました。
本来は避けるべき使い道だけれど、これがあったからこそひっくり返らずにすんだことも数十回。それは同時に、抱き留めた猫を落とさずにすんだ回数にも大部分が重なります。
そうなると絶対にやめたいこととも言い切れず、今後もたぶん、同じ用途でお世話になります。
本日もおつきあい、ありがとうございました。
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