針供養、できずに残す祖母の針。

こんばんは、ヤマネコです。

毎年2月8日と12月8日は、針供養の日だそう。

折れやさびなどで使えなくなった針を、豆腐やこんにゃくに刺して供養するならわし。長いこと硬い生地を縫ってくれていた針を、最期はやわらかいものに刺してねぎらうという、縫い人の想いから始まった風習のようです。

私自身はものづくりが好きだけれど、手芸に関してはそれほどたしなみません。当然ながら毎年のように供養すべき針が出ることもないのだけれど、ここ数年は「針供養の日」を迎えるたびに思い出す針があるんです。

それは祖母の手製の着物たちとともに保管されていた、古い本みすや針。

「みすや針」というのは伝統工芸品ともいえる裁縫針。江戸時代から続くお店もあるようですが、丸に囲まれた「伊(伊印)」の由来は見つからなかったので、これはもうなくなってしまったお店の品かもしれません。

(私が検索した限りでは、フリマサイトなどの情報しか見つかりませんでした)

包み紙に記された「大くけ」というのは和針の種類(サイズ・形状)の一つのようで、ウールや厚地木綿などを縫うのに向いている針とのこと。祖母が遺してくれた和服の中にはそういった素材も含まれていたので、保管場所から考えても実際に祖母が和裁に使っていたものだと思います。

記述によると中の針は鋼鉄製。そしておそらく昭和以前の購入品で、写真のとおり経年劣化による黒ずみが激しく使い物になりません。

と思ったのだけれど、これは祖母の遺品であり、私は古道具が好きな人間であり、そのまま捨てるには忍びなく、手元のはぎれに通してみたんです。すると意外にもひっかかりなくすぅっと生地を抜けて、もしかしたらこのまま使えるのではないかなと今も手元に残すことに。ウール(フェルトなどを含む)や木綿用、という条件もまた私の日用品としては理想的だったんです。

 

子どもの頃に学校で必要となって手に入れた裁縫セットにも、もちろん縫い針は入っていました。ただ授業以外で使うことがあまりなかった私の場合、たまに開けたセットの針がさびてしまっていた、ということが多々ありました。

そのさび方を思い出してみると、全体がまんべんなく変質していたわけではなく部分的なものでした。たとえば針クッションに刺しておくと、そのクッションの生地に接していた部分だけがさびてしまう。そのさびは赤茶で、わずかながら凹凸があるから生地に刺すとひっかかる。がさつな私(とくに子ども時代)は無理に使い続けていたこともありましたが、生地には酷な方法だったと思います。

 

ただ今回の大くけ針は、全体こそ黒ずんではいるけれど、さわってみると見た目ほどがさがさしていませんでした。ちょっとマットな質感ではあるのですが、変化が部分的ではないので生地に通したときもひっかかりなく抜けるのは納得。しっかり拭いて使ったので、白い生地に通しても黒ずみがうつることもありませんでした。

それでも大事な服(それこそ着物)を縫うのなら新たな針を手に入れたほうがいいかなと思うのですが、前述のとおり私の生活では出番が多いとはいえない縫い針。扱い方などを紹介をされているサイトでは「さびたら潔く処分」と推奨されていたけれど、ちょっとした小物づくりやボタンつけくらいならと、この針をもう少し使わせてもらうことにしました。

 

針のさび落としに「アルミ箔でみがく」という方法も見かけたのですが、一方で「繊細な針は素人がみがかないほうがいい(みがく必要が出てきたら交換時)」というご意見もあるようです。

今のところはこの状態のままなんとか使えているので、無理にお手入れせずに様子を見ようかなと。いずれ違和感を覚えるようになってきたタイミングで、みがくことも試すつもりでいます。

 

そうはいって、黒ずんでしまった針。寿命以上に酷使している自覚もあります。それを針供養の日ごとに思い出すので、本当ならもう送り出してあげるべきなのかもしれません。

そう思いつつも、もう少しだけ、もう少しだけと、今年の2月8日も手元に残す選択をしました。これも祖母の遺品の一つなので、自分なりに使えると思えるうちは、心の整理をしながら向き合おうと思っています。

 

本日の猫。

リビングに置きっぱなしのキャリーケース(寝床や隠れ家の一つとして)。その下を掃除しようと一時移動させておき、さて戻そうか、と思ったらずっしりと重くなっていました。

さっきまで誰も使っていなかったから移動させたのですが、場所をほんの少し変えただけでささっと入りこむ子がいる。不思議でおもしろくて、かわいいな、といつも思ってしまいます。

本日もおつきあい、ありがとうございました。



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